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湘南みたまま感じたまま(4)

 鎌倉の海岸は材木座・由比ガ浜・稲村ガ崎・七里ガ浜・腰越と名前を変えつつ江ノ島にいたるまで長距離にわたっていますが、今日ご紹介する七里ガ浜は稲村ガ崎から腰越のあいだにある長?い砂浜です。
 引き波が強いため由比ガ浜のように海水浴は出来ませんが、結構大きな波が打ち寄せるので、サーファー小僧が1年中波に挑戦しているところです。小僧といっても平均年齢は結構高く、40代50代のサーファーも珍しくありませんし、わざわざこの界隈に引越して来る方もいるのですから“naminori”も息の長い趣味の一つなのでしょう。
 年に数回見事な波が押し寄せるときなどは、私達でも強風に吹かれながら思わず自然の雄大さに見入ってしまいます。

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エチオピアン・コーヒー・セレモニー

 パリの冬は寒く、暗く、長い。寒いはまだしも、暗く長いとなると相当に鬱陶しい。性格は歪むし、話題も陰にこもりがちだ。三月に入ったと言っても、まだまだ気が抜けない。ということで、春の到来に先駆けてパリを離れ、日の光あふれるアフリカへと一気に話を飛ばすことにした。

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その5〜 
自分メンテナンス

 いつの間にか猛烈に寒い季節になって、慌ててあたたかいセーターを引っ張り出した。
6月末にとった夏休みから、ほとんど休まず仕事をしている。
 楽しいから疲れないのだが、これは超ワーカホリック。少しあぶない。
会社を立ち上げてまだ1年半だが、仕事はどんどん増えてきて、あっという間に一緒に働くメンバーも2人から10人に増えた。作業的には楽になったことも多いけど、人間関係のことでは色々と考える時間が増えてきた。
 大好きな映画も本も、本当に時間の有る時にだけして、読みたい本があるときには睡眠時間を削っている。一日の時間が長ければいいのに。
 と、本気で思う。

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MUROKEN'S
ボヘミアン・ワンダーランド その4

ハロー、心はいつもボヘミアンの仲間たち!われらがブラザー、あのジョン・レノンがいなくなってもう25年。12月のその命日の頃に本を出して、ここのところしばらくプロモーションでイェー、イェー、ヒーヒーやっていました。
 北中正和さん、ロバート・ハリスさん、大貫憲章さんという昔からの音楽グルメの良き友たちがラジオや雑誌で相手をしていっぱいヘルプ!してくれました。許可をいただいて以下に載せる某若者系文化誌でMUROKEN’S ROCK’N ROLL FLASHBACKなる連続対談の相手をしてくれている丸木 武くんをはじめ、関係者みなさんに深い感謝を!
 ストリーミングでラジオ・トーク聴きながら、今回のボヘミアン・トーク特別編『ヤー、ヤー、ヤー、その時、歴史が動いた!』プリーズ・プリーズ・プリーズです。ビートルズはいなくなっても、ヘルプ・フロム・フレンズ、僕のまわりにはたくさんのビートルズがいたよ!!

ムロケンより
(尚、以下文章は某誌のご好意より転載いたします。)

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第二話 「わたしとこけし」vol.2

またしてもオークションで熱いバトルを繰り広げた私であった。いやー、凄いこけしが出たのです。秋田の木地山の作家小椋久太郎のもので、作風がこれまで私が集めたものと違って、木地山の手前に小安という村があって、そこの作家伊藤常治の影響を受けているのではないかと思われるものなのです。なんともミステリーです。
みなさん、このような話、ぜんぜんつまらないでしょうがもう少し付き合ってください。

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BAIL A CEDER

 このところ、ここパリ十八区、アベッス街界隈では商店の浮沈が激しい。街が注目を浴び、流行りの店が並び立つ一方、時の流れについていかれない店は次々に閉められる。
 店のウィンドーやシャッターには “ BAIL A CEDER ” の表示をよく見受ける。閉店に伴って、「建物の賃貸借権を譲渡します」という意味の表示だ。流行りすたりは仕方がないとしても、昔ながらの名残を留める店、例えば馬肉屋とか、臓物屋にこの表示が張られて姿を消していくのは、時代の趨勢とは言えなんとも淋しい。
 閉店、新規開店とは別に、店舗の営業権を丸ごと譲渡してしまう場合もある。最寄りの店に立ち寄ると、いつもレジにでんと腰を据えていた女主人の姿が見当たらない。

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秋谷の海と月下美人

 一時、秋谷に家があった。カミさんの実家の夏の家で、一年中ほとんど、それこそ空家に近かった。鍵型の古い日本家屋で、海に向かう側は三面がガラス戸の広縁になっていて、いい風が吹き抜けていった。そこでぼくはずいぶん本を書き、翻訳をした。修行の時代のようなものだった。あの家がなかったら、今のぼくはなかったかもしれない、と時どき振り返る。

 葉山の奥のチベット、と呼ぶ口の悪いやつもいる秋谷だけれど、そこに馴染んだせいか何かがあるとよくそこまで出かけていく。国際村が出来て、ずいぶんと近くなった。葉山側からの道の真向かいに逗葉新道空のトンネルができて、横横からも来やすい。

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夏休み?慰安旅行?

 6月の終わり頃、世間様より一足早く夏休みをもらった。
今年は久し振りに南の海にいくぞ?! 
いきあたりばったりのいつもの旅のように、今年はのんびりしていられない。
今年の旅行はいつもと違うのだ。
ともだち家族と一緒の旅なのだ。
ファミリー4人にプラス私。微妙な組み合わせ。
あの家族、奥さん1人多くない? みたいな。少し自意識過剰な話しで私達は盛り上がっていく。
そして、出発までまだ2週間以上あるというのに、久しぶりの大イベントでハイテンションになっている大人達は、一度このあたりで疲れてしまう。

 子供達のパスポートの申請だ何だかんだと友人達はバタバタと走り回り、子供たちが風邪をひかぬよう、万全の体制で祈るように出発までの期間を過ごす。
夜になると、準備進んでる?とメールの着信。
自分達の荷物を用意していたら、夜逃げに見えるくらいの量になったらしい。
そんな事なんかもかなり笑えて、私たちのテンションはまたまたヒートアップする。

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MUROKEN’S ボヘミアン・ワンダーランド その3 

 ハワイの旅の楽しみは色々いっぱいあるけど、ひょっこり訪ねた田舎町で、ひょっこり出会った土地の日系移民の老人たちから聞くハワイ昔話、こいつがなかなかイケルのだ。
「ホテルやモーテルなんかもちろんなかったからね。昔の若い恋人たちは、デートというと、砂糖きび畑に出かけたもんさ、蚊取線香を持ってね。夏のさかりの頃になると、あっちにポツリ、こっちにポツリ、ホタルのように赤い火が見えるんだ。そうさ、私なんか恋人のいない連中は、それを見物に出かけたものさ。それで女の子のほうが手に線香を持ってクルクルクル。コトが始まると、その回転がどんどん速くなっていくのさ。おう、始まったぞ!って、こっちも興奮して見てると、クルクルクルクル……そして急にピタリと止まる。
 ア?ッ、ワーッ。砂糖きび畑の向こうもコッチも溜め息の合唱の瞬間さ。いや、あれはなんともいえない風情があったね。なんというんだっけ? そうそう、夏の風物詩ってやつさ。アッハッハ」
 ウーン、なんて素敵な話だろう。ハワイ島北のホノカアの町、バンブー・ギャラリー前のベンチでは50〜60年のプランテーション仕事での歴史を顔に刻みこんだシワくちゃ顔のオジイちゃん、オバアちゃんたちが集って、昔話に花を咲かせている。

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“アメリ・カフェ”

 近所に“ドゥ・ムーラン”という名前のカフェがある。「えっ? それって、あのアメリの?」と聞き返してくる人も少なくないはずだ。そう、あの爆発的にヒットした映画“アメリ”の舞台となったカフェである。モンマルトルの丘のふもとにあるこのカフェはあれ以来、すっかりパリの名所の一つになってしまって、いまだにカメラ片手に訪れる観光客が絶えない。といってもそのほとんどは日本の若い女の子たちだ。
 それも一人や二人でなく、毎日何組ものグループがひっきりなしにやってくるところを見ると、恐らくガイドブックに紹介されていて、モンマルトル観光コースに組み込まれているのだろう。
 僕の方は映画以降かえって立ち寄る頻度が減ってしまったが、それでも最寄りのカフェであることに変わりはない。もしカウンターにもたれて手巻き煙草を巻いている日本人風をみかけたらきっと僕です。
声をかけてやってくださいね。

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スーパーマーケットフェチ 〜 異国情緒満喫

 毎日買い物をしているのに、いわゆるスーパーマーケットに行って買い物をする事が本当に好きだ。
この好きっぷりは、あまり分かってもらえないかも知れない。家の近くにあるスーパーマーケットには、どこに何が置いてあるか、銘柄は何が有るか、新製品はどこに並んでいるか、、、私は妙に詳しい。
いろいろ売っている!という当然の事が嬉しくてたまらない。銘柄やパッケージ、成分表まで本気で楽しめてしまう私は何なのだろう。

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日曜日の浄瑠璃
<番外編>

娘義太夫を聴きにいこうと思いたった。もちろん誘いがあったからだ。日本の中世以後の語り物の音曲の浄瑠璃の流派のひとつが、竹本義太夫が17世紀に生み出したのが義太夫節だ。浄瑠璃といえば今では文楽の人形浄瑠璃で知られているが、かつて、そう明治末から大正にかけて大変な人気を博したのが、若い女性の語る娘義太夫だった。
すでに絶滅したと思われるその娘義太夫、あるいは女義太夫を楽しむことができるというのだ。行かないわけにはいかない。場所は江東区の門前仲町の小料理屋の座敷。<もんなか>はいい居酒屋があって、好きな街だ。いつだって行きたくなる街だ。地下鉄を上がるとすぐに深川不動尊があって、その参堂にはどこか懐かしいような店が並んでいる。
時分時。このあたりは浅蜊と大根を煮たものを丼飯にかけた<深川丼>が名物だ。参道に面した一軒、深川丼と深川飯、それになぜかエビフライ定食なんかをやっている店に入って、深川丼セットとビールを注文する。ビールの栓を抜く間に丼が届く。卵でとじてあるわけでなく、さらりと煮た甘辛の浅蜊がかけられたもので、日向ぼっこをしているような温かな気分にしてくれる味だ。

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湘南みたまま感じたまま(3)

 わが社は、JR鎌倉駅で通称江ノ電に乗り換えて2ツ目“由比ガ浜”の駅のそばにあります。関東一円の方にとって由比ガ浜は海水浴でおなじみですので、夏になると朝の電車はカップルや家族連れでとてもにぎやかになります。駅から海岸まで歩いて5分?みんなは海へ、私は後ろ髪を引かれつつ会社へーー毎日が忍の一字です。

 さて、江ノ電は鎌倉と藤沢を結んでいる可愛らしい電車です。地元の人にとっては生活の足、また観光客にとっては観光地への足となっています。単線の電車ですから、JRの電車などと違って車体も小さいですし、2両ないし4両で走っている姿をみると、“のどか”の一言です。それに線路脇の住宅とは至近距離ですので、人様の家の庭木の枝にぶつかりそうになりながらコトコト走っています。
 ところで私が電車に乗るたびに不思議に思っていることをお教えします。それは玄関が線路に向かっている家の存在です!?玄関を出ると目の前は線路。あの玄関は裏口なのかそれともーーー。
 確かに日常生活は電車に気をつければ済む事ですが、引越しや大きな家具他を入れるときはどうするのだろう?と見るたびに考えます。運送屋さんは電車の合間をぬって、(ちなみに上下線とも12分間隔で走っていますので、空いている時間は9分しかありません)線路を歩いて仕事をするのは大変そうと思いつつ、一度は見てみたいと切に願っていますがまだ実現していません。きっと私の念力が足りないのでしょう。

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  梅の香を探し探して

 花粉の問題さえなければ、散歩にいい季節になった。うれしくて、あちこちに出かける。
 東京の仲間と句会をやっている。みな素人ばかりの集まりで先生と言うものがいないから、いっこうに上達しない。ただわいわいと勝手に選び合い、その後の飲み会が楽しみというだけのことだ。
 鎌倉の町は俳句に力を入れている。「坊ちゃん」の道後のように、俳句ポストを作って、と言う話を、友人の松中さんから聞いた。松中さんは来る選挙のことで、青い顔をしている。手伝いたいけれど、ほとんど何もできない。その鎌倉に住んでいるのだから俳句の題材はいくらもあるけれど、東京の俳句仲間は鎌倉について無知である。
 たとえば、こないだの句会で「梅の香を 探し探して 谷戸の道」というのを作ったけれど、彼らには「谷戸」というのがわからない。説明するのも億劫で、だから簡単に落選した。もっともこの句は、よくない。「鶯を たずねたずねて 青野まで」という六本木の和菓子店「青野」の宣伝俳句があるのだ。青野の名物の鶯餅のことをよんだものだろう。それの物真似と思われたのかもしれない。
 俳句のためもあって、よく歩く。ぼくの鎌倉散歩は、あてもない。ただ、気まぐれにウロウロする。けど、突然面白いものに出会う。今小路から小町通りへと小さな踏切を渡る角の洋風雑貨屋の壁に、とてもいい木彫がほどこされた板戸がある。電車の通過を待つ間、それを眺めるのが娯しみだ。
 喜多川邸の手前を、やはり小町通に向かう小道の角にある掲示板には、木の葉を押しピンで留めてあるのを見つけた。近くに生えているヒイラギの葉で、とても可愛らしい。
いたずらだろうか、それとも飾りのためだろうか。見ていて楽しくなることは確かで、この時もしばらくたたずんで眺めていた。
 散歩はいろんなものを発見させてくれる。人の目を楽しませる工夫が、いかにも鎌倉らしいのである。


2005 May/Higashi#2




MUROKEN’S
ボヘミアン・ワンダーランド#2

ハワイ音楽と牛の関係はナ〜ンダ?ーーそう訊かれて、すぐ答えがスラスラ出てきたら、あなたは相当のハワイ音楽通だ。いけね、スラスラ…なんてヒントのようなことを言っちまったぜ。そう、ここで僕が言おうとしているのは、あの椰子の葉を揺らす風に乗って聴こえてくる、優しくとろけるようなギターの調べ、スラックキー・ギター・ミュージックのことなのだ。ミシシッピーにブルース、スペインにフラメンコ、そしてハワイにスラックキーあり、と今では世界三大ギター・ミュージックのひとつに数えられるそのスラックキーだが、その起源はなんとモー笑える話。そもそもの始まりは18世紀末、イギリス商人からハワイ王朝の王様に贈られた、つがいの牛。しかし、もらってはみても、牛はもともとハワイにはいない動物。扱い方もわからないのでハワイ島の南コハラの草地にほったらかしにしておいたそうな。そしてある日、ふと気づいてみるとあたりは、牛、牛、牛、牛、牛だらけ。モーかなわん、なんとかせいとこの牛対策のためにカリフォルニアから招かれたのがスペイン人カウボーイたち。ハワイ語でカウボーイを意味するパニオロという言葉は、パニックでオロオロした王様が呼んだエスパニヨールたち、と見事にこの大事件の痕跡をとどめた言葉なのだ!

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第一話「わたしとこけし」

 今年は昭和80年になる。昭和30年生まれの私は50歳ということになり、男50というのは、かなり大人なはずなのだが、私はいったい何をやっているのか、仕事部屋では高校生の時のように音楽を聴き本を読みコーヒーを飲んでこけしを見ていることが多い。
 もちろん仕事はする。こうして文を書いたり、絵コンテを描いたり、企画書を書いたり、見積もりなんかは凄く一生懸命に書く。
 スタッフは4人いて、20代がひとり、30代が3人、我々は食を中心とした仕事をしている。スタッフルームと私の部屋は同じ階だが、別になっており、私はひとりである。 20代のスタッフは昨年、おかたい会社をやめてうちに来た。うちに来てから、友人に私の書いた本を何冊か読ませたらしいのだが(私が30代に書いたコラムをまとめたもの)あまりにもクダラナク面白かったらしく、「お前のところの社長、本当に大丈夫か?」とマジで言われたらしい。私は大丈夫である。

 ただ、私はこけしを集めている。こけし、こけし、こけし、あー、こけし。あなたは何と時代の片隅においやられてしまったのだろうか。「私はこけしを集めている」というと、誰しもが、その後の話を聞いてくれようとしない。 聞き流すか、話題を変えたがる。私は凄く話したい。みんなにこけしの話を沢山してみたいのである。だから、今回からこけしについて、いろんなことを書きます。

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無理矢理自分治癒 〜 ぐるぐる治し

 このところ、いまいちのらない日が続く。昼間あたたかくなっては、夜にまた寒くなる。そのせいで体温調節がうまくいかなくなるのか肩もこるし、さらに今年から花粉症の仲間入りをしたのもある。
 オーバーワークな自分の毎日が人間らしい生活かと問われたら、そうでは無いなぁ〜とあらためて思ったりする。 でも頑張らないと更に仕事が遅れるので、それも困る。そして、そんなふうに思ってしまう事でまたふさいでしまう。
 何をしても上手く行かない。考えることも上手くいかなくなり、ぐるぐるでお手上げになる。そして、そうやってぐるぐるになっている自分の事もさっぱり許せない。

 でも、私には良い治療法があるのだ。こんなぐるぐるの時期は『泣ける映画』を観ることにしている。映画のお伴はジャンクフード。このジャンクフードは、衝動買いを誘う『おっ!と思うパッケージ』が条件で、ばりばりと音の出るものがいい。ばりばり音は私のヨレを刺激する。
 閉鎖的になっている自分に少々刺激を与えないと、どんどん負のスパイラルに巻き込まれるのだ。お伴たちのジャンキーなパッケージは鈍った私の感覚も刺激する。変な味で馴染めなくてもOKなのだ。ただ可愛ければいい。

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湘南みたまま感じたまま(2)

 昨年12月末のスマトラ沖地震は、私達に津波の恐ろしさをまざまざと見せつけました。
 これまで津波の怖さは聞かされていてもしょせんは伝聞という形でしたから、以前三陸へ旅行した際にみた防潮提の高さに驚くことはあっても実際の姿そしてその脅威は想像するしかありませんでした。
 今回のように“TUNAMI”の姿をまともに映像として見たのは、ほとんどの人にとって初めての経験だったと思います。情報化社会ということを、しみじみ感じた出来事でした。
 それに関連して、去年の暮れから正月にかけ、テレビでは間近に迫っている(と言われている)大地震について特集をしていました。その中でひとつ私の興味をひいた内容があります。
 それは、皆さんお馴染みの鎌倉の大仏様のこと。現在、大仏様は露座でいらっしゃいますが、もともとは東大寺の大仏のようにちゃんとした大仏殿があったというのです。
それが津波によって破壊され、今のような姿になられたとのこと。
 私、恥ずかしながら、大学時代古美術クラブに属し、その顧問の先生は鎌倉彫刻研究の第一人者といわれたM先生でありました。しかし、その頃のわたしの目は白鳳彫刻へ向いていたため、ほとんど一般教養程度しか大仏様のことを知らず、大仏殿は火災で焼け落ちたと勘違いしておりました。古来東大寺の大仏殿をはじめとして、古社寺は落雷・焼討ち等によりその伽藍を喪失することが多く、まさか津波がーーー。与謝野晶子が、美男におわすーーと詠んだ大仏さまですが、どうもおじさんっぽくて好きになれず、興味の対象ではなかったのですが、その大仏様が何と津波の被害にあっていたとはーー。

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カフェとタバコ

 タバコが切れるとカフェへ買いに行く。パリにはタバコの自動販売機は一切ない。「TABAC」と看板が掛かっているタバコ屋で買うのだが、かといってタバコだけを売る専門の「TABAC」はあまり見かけず、たいていはカフェや、雑誌店が兼ねている。

 カフェでは店の片隅のカウンター沿いの一角がタバコ売り場になっている。タバコ以外にも切手印紙、宝くじの類、ガムその他を扱っていて、このコーナーには終日切れ目なく人が出入りする。宝くじの客が前にいる時などは、やれ、当たった当たらない、いくらの払戻しだと、えらく待たされることになる。

 ちなみに、パリではここ数年間にタバコの値段が急騰し、一箱七百円程度もする。タバコ税の増税のせいだ。今やタパコは高級品となってしまた。そこで防衛のために手巻きタバコに切り替える喫煙派が増えた。僕もその一人である。パックに詰まった手巻き用のタバコと、ペーパーを別々に買い、自分で巻いてタバコを作る。この方がずっと経済的である。慣れれば手間はかからないし、巻き具合、太さや密度を自分の好みに合わせることができる。難点は日がたつにつれてタバコの葉が乾燥してしまうところだが、封の切りたてはみずみずしく香りも高い。

 さっそく一服味わおうと、タバコを買ったあとにはカウンターにまわってカフェを注文する。長居するつもりはないから席には着かない。カウンターに立ったままで十分だ。
 薄い泡の幕を張って湯気を立てるエスプレッソを前にして、買ったばかりのタバコの封を切る。閉じ込められていた香りが鼻先に広がる。しっとりとした感触を指先で楽しみながら、タバコの葉をていねいにほぐす。巻くのは手慣れているが、この初の一巻きにはいつもより気を入れる。火を付け、深々と吸い込み、ゆっくりと煙を吐き出す。うまい。申し分ない。やはり封切り後の一服は格別だ。

 おもむろにカップに手を伸ばし、カフェを一口含む。強い苦みが口の中に広がり、胃に染みこむ。後を引く苦みがタバコを引き寄せ、煙がカフェを呼び寄せる。香ばしさが混じり合う。カフェとタバコは相性がいい。
 カウンターに立つ時は自然と肘をもたせ、背をもたせかけた格好を取ることになる。そうやってくつろぎながら店内の様子や、表の通行人を見るともなく眺めやる。心を空にして過ごすデミタス一杯の時間、タバコ一本の時間。
 吸い終わったタバコは床に捨てる。遠慮することはない。カウンターでは灰皿は使わずポイ捨てするのが慣わしなのだ。床は定期的にギャルソンがほうきで掃いてまわる。

 区切りの儀式のように、靴で火を踏み消し、さっと勘定を済ませて外に出る。

2005March/Gan#2


Bain moussant  バスバブル 〜 幸せの香り

 「これー、マジいいにおいなんだけど。」そう言って年下の友人がくれたものは、なんともその言葉に似合わない綺麗なものだった。パリ土産だといって渡されたそれは、赤い透明の液体の入った小ビンで『Bain moussant』とフランス語で表記されており、こじゃれていた。「使わないで飾っておいて顔」をしている。
 中の赤い液体とナチュラルなラフィアのリボンとグリーン色の効いたラベルが、「本当に私ってかわいいでしょ」と言わんばかりなのだ。こういうのには騙されない。今日の風呂に入れてしまおう。

 2年前までフランスに2年間滞在していた。自分リセットの為に選んだフランスという憧れの国で、私は色々な物を見て感じるという事を大切にした。勝手で乱雑でいいかげんな生活習慣で鈍った嗅覚を取り戻したかった。
そんな生活の中で最も私が大切にしていた時間が読書とお風呂の時間だった。日本から買って来た本や、読めないけど買ってしまったフランス語の料理本のやファッション雑誌を見ながらお風呂に入る。
ただでさえ異国で一人なのに、更に輪をかけて一人きりになれた。大切な時間だった。



 香りがいいバスバブルやバスソルトを選ぶ事も、私にとっては非常に大切な事だったので、スーパーマーケットやデパートや小さい化粧品屋のものも、かなり色々と物色した。そのお陰で花やハーブの種類、フルーツの香りのフランス語表記などにかなり強くなった。
 りんごやアプリコット、イチゴやミルクの香りの入浴剤は本当に普通で、チョコレートやバニラ、シナモンアップルやシナモンバナナもある。そして不思議とこの国でのお風呂の時間には、そういう日本ではあまり考えられない香りが良く合う事を発見した。
 どんな時に幸せなのか、ちゃんと考えられた結果、この香りが選ばれたに違い無い。フランスの幸せの香り。
美味しいチョコレートを食べる。幸せだ。バニラクリームのたくさん乗ったワッフル。これも幸せだ。シナモンの香りのあたたかいアップルパイも。
 この国の人達は甘いものを愛している。甘い香りが彼等にとって幸せの象徴なのだと感じる。文化の違いでもあるけれど、私がフランスの生活で一番早く体で感じ、同時に受け入れたものはこの香りだった。甘い物は良い香り。と私の脳にインプットされてしまった。
 パリではいつも、どこに居ても甘い香りがしてくる。パリの街路樹マロニエも雨が降った後、ほんのり甘い香りを漂わすのだ。この甘い香りにいつもみんなが癒されているのだ。

 友人から貰ったおすまし顔のボトルのコルクを抜き、お風呂に入れてみる。シナモンオレンジの香りが広がった。また今日もお風呂でのひとときで幸せになれる。
 ゆげゆげ、あわあわ、フランスの幸せの香り。友人の言葉を口にしてみる「これー、マジいいにおいなんだけど。」この言葉とこの香りはなんだか合うな。と思ったらちょっと笑えてまた幸せな気分になった。


パリの街角でコーヒー豆を買う

 コーヒーが切れた。豆を買いに行かなければならない。家で仕事をすることが多く、コーヒーカップは常に手元に置いておくので、コーヒーが切れる頻度はかなり高い。
 コートを引っかけ、アパートを出、小路を曲がると賑やかな商店街に出る。かつて庶民的であった我がカルティエは、ここ数年、新しい店が続々とオープンし、ファショナブルになり、外来の客が増え、まあ、居住者としては少々うるさく思っている。
 それはともかく、このカルティエには焙煎した豆を売っているコーヒー専門店が二軒ある。僕が行くのは一、二年前に開店したきれいな女性のいるオシャレな店ではなく、以前からある、太ったおばさんが経営する古びた店の方である。なにもおばさんに惹かれているわけではない。心は美人のいる店へと傾くのだが、味覚はおばさんの店の味に固執する。やっかいである。

 心惹かれるどころか、僕はこのおばさんを苦手としている。どうにも取っつきにくい。見るからに庶民出身のわりには、庶民らしい気さくさや打ち解けた態度を見せたことがない。
 対応はていねいなのだが、かえって慇懃無礼の気味が濃い。笑みの底には冷ややかさが明らかで、こちらとしても素直に笑みを返せない。総じてどうも見下されているのではないかと警戒心が解けないのである。
 加えてこのおばさんは図体に似合わず、甲高い声を発する。趣味がよいとは言えないコーヒーカップを所狭しと飾った店内に、太鼓腹で増幅された耳障りな声が鳴り響く。要するにこの店には魅力的なところは一つもない。
 それでも通い続ける。このおばさんのカフェでなくてはならないからである。「モカ・フォール」、深炒りモカがそれである。この界隈に引っ越して初めて買ったコーヒーがこれだった。
これがいいと思ったら僕も頑固なタチだ。以来、気詰まりを押し殺し、ずっとこのモカで通している。
 「挽き方は?」。「イタリアン」と僕は答える。直接火にかけるタイプの簡易エスプレッソマシンを使っている。「何グラム?」。「二百五十」。そして最後におばさんは例の声で尋ねる。「アベック・サ?」。他にご入り用はと、僕がコーヒー以外のものを買ったことはないのに、毎回決まって付け加えるのだ。「セ・トゥ」。それだけです。これ以外の言葉を交わしたこともない。十年一日のごとくのこの掛け合いを繰り返している。
 さあ、そろそろ腰を上げ、モカ・フォールを補充してこなければならない。おばさんの店ヘひとっ走りして、例の掛け合いをもう一度繰り返すとしよう。


海辺の読書とオイルサーディン

 海辺で、本を読むのが好きだ。風の温かな午後、材木座の砂浜を文庫本片手に歩く。時どき、組み立て式の木製ビーチチェアをぶら下げていくことあるけれど、たいがいは手ぶらで行く。そんな時は、腰掛けるにいい石を見つけるか、あるいは背をもたせかけるのに具合の良さそうな一壁を見つけて、温もっている砂に腰を下ろす。
 好きな本のページを開く時の喜びというのは、たとえば、好きなキャンディの包み紙を開ける時とよく似ている。チョコレートをくるむ銀紙を開ける時にも、それは共通している。
 遠くに波の音が聞こえ、目を上げるとそう大きくない波にまるで黒い水鳥のようなサーファーたちが、それでも懸命に乗っている。背後のR134を走っている車の音も、壁の角度の関係かもしれないけど、ここまでは届いてこない。

 一時間ほどいたろうか。風が舞いはじめたので本を閉じ、立ち上がって尻の砂をはたき落とした。風に背中を押されるようにして海辺から遠ざかっていくにしたがって、あらためて海の臭いが身体に染みていたことに気がついた。
 家までの間に魚屋があって、そこに盆ザルに盛った小鰯を売っていた。7センチほどあるだろうか。あまりの安さに、つい買ってしまった。家に帰って頭を取り、腹を斜めに切り落とし、手塩を振って少し置いた。水が出たら拭いて、一列に並べられるフライパンに敷き詰め、ニンニクと鷹の爪とローリエの葉を入れてオリーヴオイルをひたひたに注ぐ。
 弱火で一時間。ふつふつと泡が出るくらいにしておく。煮えたら、室温までそのままで冷まし、それから好みの容器に入れる。ぼくは、ガラスのメースン・ジャーに入れる。オイルサーディンの出来上がりだ。

 これを肴に、カナディアン・クラブのハイボールを飲みながら昼間の本のつづきを読む。ページを開くと、砂粒がこぼれた。砂のしおりだな、といい気分でグラスを持ち上げる。


 ピアノの前に座り、サングラス姿で全身をのけぞらせ、満面を笑みにして歌う彼。“アイ・ガット・ア・ウーマン”“ホワット・アイ.セイ”“旅立てジャック”“我が心のジョージア”……盲目というハンディを乗り越えたように、ゴスペル、R&B、カントリー、ブルース、あらゆる音楽ジャンルの壁を乗り越えて、人々の心を揺さぶり続けた彼。
 フランク・シナトラをして「音楽界で唯一の天才と呼べるのは彼だけ……」とうならせ、ビリー・ジョエルが「冒涜かもしれないが、エルヴィスより重要な人…」と認め、今年73年の生涯を閉じたが、なお、ノラ・ジョーンズをはじめ、世界中のファンが“WE CAN’T STOP LOVING YOU”と彼を愛し続けてやまない……。
 そう、僕はレイ・チャールズの話をしているのだ。こんな彼の波乱万丈の生涯を描いた映画が作られ、姿、形、動作、何もかもが生き写しのような迫真の演技をした主演男優、ジェームス・フォックス以下、さまざまな部門で来るグラミー賞を総なめにしそうな出来栄え、というニュースが飛び込んできた。
 こうなっては、これまでパリ、ニューヨーク、トーキョー、サッポロ……世界のあちこちのコンサート・ホールで、この音楽的巨人の歌声に魂を奪われてきた人間としてはジッとしてはいられない。つてを辿って、今年最後の試写会の場所と時間を聞き出すと、乱入御容赦!観てきてしまったのだ、2時間半を超えるその超大作映画『レイ/RAY』を。

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鎌倉カフェオープン

 Shu Shu鎌倉カフェをオープンします。鎌倉カフェは古都鎌倉の中でも最近売り出し中のエリア由比ヶ浜にある珈琲会社ク−ドゥフ−ドルの中にオープンします。
もちろんネットカフェですのでよろしく。

ShuShu 鎌倉カフェでは色々な事を皆で話したいと思っています。珈琲の味にこだわりながら遊び・音楽・食べ物等やこんな事もあるのかというような事を適時お送りしたいと思ってますが。実は会社や商品の宣伝でやるのではありません。

 珈琲紅茶を楽しんでいただく嗜好品情報を皆様と作りたいのです。多分皆様が呆れる話や大笑いする話がいっぱい出てくると思います。
こう御期待!まずは店主御挨拶まで。


湘南みたまま感じたまま

 鎌倉の由比ガ浜に会社を立ち上げて、早2年たちました。観光客や地元の人相手のショップを開くのは当り前でしょうが、メーカーの本社を何故鎌倉に?と皆さん不思議に思われるようです。
 でも、いろいろな方にお会いして名刺を交換すると、“ホー鎌倉ですか!?”“由比ガ浜ですか?!”“湘南、いいですね!!”という反応が必ずといっていいほど返ってきます。その反応を見ながら、“やったね!!”と心の中でつぶやきつつ、心もち下を見ながら、“いえ、単に物好きなだけです”というような言い訳をするのがチョット楽しいのですが、、、

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